なぜライナーが重要なのか?
義肢使用者にとって、身体や断端に感じるストレスは日常的なものです。特に断端は身体が動く時に作用するほとんどすべての力にさらされており、それは切断者の体重にも大きく影響されます。これは発汗、圧力、剪断力の増大などの副作用を引き起こす可能性があり、それによって皮膚へのストレス、突起部や、敏感な骨周辺へのリスクへと繋がる可能性があります。
義肢ライナーは断端とソケット間を結びつけ、以下の方法によって、可能な限り最良の適合に貢献します。
- 断端に作用する力をより広い範囲に分散させる
- 高い圧力がかかった際に断端への負荷を緩衝する
- 突起部、瘢痕組織、敏感な皮膚領域をケアする
- ソケットと断端の間で生じる、断端の移動、ねじれ、ソケットからの脱落を減少させる
- 肌をやわらげる
- 断端に均等に圧をかけ、血液循環を促進する
素材
Össur のライナーは2種類の素材から選択可能です:医療グレードのシリコーン、あるいはTPE(熱可塑性エラストマー) です。それぞれの素材に、特性と利点があります。
義肢の接続方法
遠位接続(ピン式)
クッション
Seal- In
ライナーの特性
コニカル
Umbrellan
Tibiaguard
メンソール
安定化マトリックス
注:この他にも特性があります。表示されている機能の一部はオプションであり、すべてのライナーに含まれているわけではありません。
スキンケアの重要性
皮膚の機能
物質
コーティング
二層構造
シルク状のインナー表面
Easy glide
ウェーブ
Össur のライナーを装着する
順応
ライナーを初めて使用する場合、あるいは交換した場合は、短い調整期間を設けることをお勧めします。Össurライナーは非常に快適に着用でき、断端にぴったりと適合します。ただし、皮膚に新しい圧力に慣れる時間を与えるために、着用時間を1時間ずつ増やしていくことをお勧めします。休憩時間は好みに応じて設けてください。最初の1週間は、タイムチャートを用いることで推奨の装着時間を確認することを助けるでしょう。1週間以降は、好きな時間着用してください。義肢装具士の経験や推奨に頼るのもよいでしょう。
ライナーのメンテナンスとスキンケア
皮膚のさまざまな特性と機能は、義肢を着用することによってストレスを受けます。
皮膚はすべてのソケットの中で、圧と摩擦にさらされます。さらに、皮膚の温度調整能力も影響を受けます。発汗の増加と皮膚へのストレスが組み合わさることで、皮膚の炎症や最近の増殖につながります。
この皮膚へのさらなるストレスを防ぐためには、断端をしっかりと洗浄し、ケアすることが重要です。そうすることによって、義肢を最大限に活用できます。
日々のお手入れ
低刺激あるいはpH中性の石鹼で断端を洗いましょう。皮膚の再生をサポートするために、就寝前に保湿力の高いスキンクリームの使用をお勧めします。
ライナーの洗浄
ライナーの内側は低刺激の石鹸で毎日手洗いすることをお勧めします。また外側も、週に1回は洗浄することをお勧めします。
よくある質問
なぜシリコーンライナーなのですか?
シリコーンは高い密着性を保証しており、摩擦と圧力を低減し、洗浄が簡単です。さらに、医療用シリコーンによる既知のアレルギー反応がありません。皮膚の炎症は回避あるいは軽減されます。
どれくらい長持ちしますか?
Össur ライナーは特に高品質であるため、耐用年数は非常に長いです。しかし、適合に関する重要な点をご確認ください。:ライナーはすべての要件を満たしていますか?この質問は、素材の性質だけでは答えることはできません。特に、個人的に必要とするもの、ーそして何よりも身体的コンディション=におきた変化を確認することが重要です。そのため、義肢装具士による6ヶ月ごとの定期的なチェックをお勧めしています。また、ライナー内のケア物質は約6ヶ月で尽きることもご了承ください。
ライナーが破損した場合どうすればよいでしょう?
この場合、至急担当の義肢装具士へご連絡ください。損傷が深刻な場合、ライナーの交換が必要となる場合があります。
本当に毎日洗浄する必要がありますか?
ライナーをトラブルなくご使用いただくために、ライナーと皮膚両方を毎日お手入れすることは重要です。石鹸や汗が残っていると皮膚の炎症を引き起こす可能性がありますが、これはきれいな水で洗浄し、完全にすすぐことで回避することができます。ライナーのお手入れ方法に従って、断端とライナーを毎日しっかりと洗浄することをお勧めします。
ライナー上部の皮膚に水泡ができました。この原因と対処法を教えてください。
おそらく機械的な要素(衣類や他の剪断力による摩擦)が原因であると考えられます。義肢装具士によりライナーを短くすることも可能です。皮膚の治療には、ワセリンをベースにしたクリームを使用することが最適です。
膝蓋骨周辺の赤みはなぜ起こるのでしょう?
この場合においても、通常機械的な問題(膝屈曲時の圧または剪断力)が原因であると考えられます。担当の義肢装具士はライナーのサイズとマトリックスの長さを確認する必要があります。ライナーやソケットのトリミングを変更する可能性があります。ワセリンを塗布することで、剪断力を減少させることもできます。一部のライナーには、膝を曲げやすくする"ウェーブ"オプションがあります。
皮膚に小さな膿疱や痛みがあるのですが、どうすればよいでしょうか?
これは特に脂性肌の人に起きやすい問題です。原因として、細菌に感染した毛根や、毛幹の圧力などが考えられます。皮膚とライナーの衛生状態を高め、抗菌石鹸でしっかりと洗うことも役立ちます。
断端末に水泡ができるのはなぜですか?
水泡は瘢痕組織が窪みになっている場合に発生することがあります。至急、担当の義肢装具士にライナーのサイズと断端末のソケット内の接触状態を確認してもらってください。ライナー装着時に空気が入っていませんか?一時的な活動量の制限や、薄くて通気性の良い包帯が役立つかもしれません。また、担当の義肢装具士はシリコーンパッドが有用であるか確認する必要があります。
注:義肢になにか問題がある場合、直接担当の義肢装具士へご連絡ください。
大量の汗に困っています。これはなぜ起きるのでしょうか?
主な原因として適合不良やライナーを断端にロールオンする際のテクニックに問題があると考えられます。断端とライナーの間に空気が入ることで、発汗が増加する可能性があります。傷跡が収縮することで、汗がたまるエアポケットが生じている可能性もあります。担当の義肢装具士にライナーのサイズとライナーのロールオンテクニックがあっているかを確認し、装着時に空気が入らないようにしてください。制汗剤を使用する場合:皮膚の問題のない箇所で試してから、ライナーを着用していない夜間にのみ使用してください。
皮膚が炎症を起こした場合、どうしたらよいでしょうか?
圧力や摩擦などの機械的影響、感染症、化学物質により皮膚が炎症を引き起こすことがあります。新しいライナーによってこれらの問題が発生した場合、ワセリンベースのクリームを使用することでライナーの粘着性を減らすことができます。ライナー装着前に、ライナーをきれいな水ですすいでください。石鹸の残りが皮膚の炎症の原因となることもあるので、日々のお手入れの際にきれいな水で十分にすすぎ、取り除いてください。ライナーは完全に乾いた状態で使用し、お手入れの指示に従ってください。