義足の部品とはなんでしょう?
義足の様々な部品と、それらがどのように機能し合い、切断後のモビリティを向上させるのかについて、詳しく説明します。
義足の使用を検討している方、あるいはすでに義足を処方されている方も、義足の仕組みについてたくさんの疑問があるでしょう。義足の様々な部品と、それらがどのように連携し働くのかについて、学んでいきましょう。
義肢と義足
まず馴染みのある言葉として、"義肢"が挙げられるでしょう。義肢とは外傷や病気、先天性疾患によって失われた身体の一部を補う人工的な器具のことです。義肢の構成部品は代替する身体の部位によって異なります。例えば、脚の代わりになるものであれば、義足と呼ばれます。
ソケット
ソケットは、断端と義肢を接続する部分であり、デバイスの基礎となる部分です。快適で、効率的な機能を保証するには、適切な適合を得ることが重要です。
全く同じ形の断端は2つと存在しないので、ソケットは、あなたの断端の形状や個々の神経、皮膚のパターンに対応するためにカスタムメイドで設計、製作されます。
ライナー
ライナーは、断端をソケットに懸垂するのにカギとなる役割を持ちます。またライナーには、あなたの皮膚とソケットの間の保護層となる役割もあります。ソケットとその懸垂は義足の効率的な機能の基礎となるものであるため、正しいライナーを選択することの重要性はいうまでもありません。
以下は、ライナーをソケットに接続する、3つの主要な方法です。:
膝継手
切断部位によって、義足には膝継手がある場合とない場合があります。
義足の膝継手は生体の膝関節の機能を模倣し、歩行時の安定性、対称性、滑らかな動きを実現します。また、立位時の安定性や座ったり膝をついたりすることができる可動域も提供します。
膝関節は人体で最も複雑な関節のひとつであり、生体の膝関節と同じように機能する義肢を設計することは困難です。不自然な歩き方を強いられると、腰痛や子関節痛を引き起こす可能性があります。また、身体に合わない膝継手の場合には、転倒の原因になることもあります。義足の膝継手は、機械式とバイオニック(コンピュータ制御)式に分けられます。
義肢装具士とコミュニケーションを取りながら、ご使用になる膝継手の快適性や機能性を確認し、ご自身のモビリティニーズを満たすようにしましょう。
義肢足部
義肢足部は、安全の基盤となり、様々な地形に対応したり、自然で対称的な歩行を実現することによって、生体の足の機能を模倣します。足部は地面への衝撃を吸収する主要な義足コンポーネントです。それぞれのライフスタイルやご要望に合わせて、幅広く取り揃えております。
アダプタ(構成用部品)
アダプタ(構成用部品)はライナー、膝継手や足部などの主要な部品を相互につなぐための部品です。アダプタには、単純なチューブ(支柱とよばれます)から吸着システムの排気バルブまで、様々な部品が含まれます。
外装
外装は環境中の要素から義肢の部品を守るためのもです。
あるタイプの外装は既製品ですが、義肢に特化した義肢装具士によってカスタムメイドで設計、製作されることもあります。
外装を使用するかどうかは、個人によります。外装を取り付けるかどうかを選択する際には、外装の外観に対する利点と、追加で発生するコスト、機能に対する影響などを秤にかけて決める必要があります。
特別な部品
義肢のテクノロジーは、切断者の方々がよりよいモビリティを楽しむ手助けとなることと、制限のない人生を送ることを目指す長い道のりの途上にあります。バイオニック義肢のような、最も進歩した義肢は、電子演算を行うコンピュータや人口知能(AI)を搭載し、路面状況の変化に自動的に対応し、あなたの歩行速度やスタイルにリアルタイムで適応することができます。
ハイキング、ジョギング、シャワーやその他の活動など、幅広い活動に同一の義肢を使用することができますが、短距離走、長距離走、水泳などには特殊な義肢を必要とします。将来定期的に短距離走をするつもりがあるようでしたら、 Cheetah のブレードのような、そのために特別に製造された部品を使うことが好ましいでしょう。
Össur による最近の革新の一つに、オリジナルのCheetahの設計に刺激を受けたユニークなクロスオーバー義肢足部があります。Cheetah Xploreは、基本的な設計は日常用であるにもかかわらず、ユーザーが義足を履き替えることなく、様々なスポーツや活動に参加することができます。
あなたの意志やライフスタイルの必要性について、新しいテクノロジーについて情報をもらいながら義肢装具士とオープンに議論することによって、制限のない人生を送る手助けとなる最良のテクノロジーを手にすることができるはずです。
これらの解説が、あなたの日常生活の新しい部分を理解するのに役立つことを願っています。新しい義足と、それがどのように機能するかについて、いつでも専門家にお尋ねください。そうすることは、義足で新しい生活を始めるにあたり、あなた自身に力を与えてくれるでしょう。